「永久脱毛は一生ツルツル」ではない
読者のみなさんは「永久脱毛」と聞くと、一度脱毛した部分はもう二度と毛が生えず、ずっと綺麗にツルツルのままだと想像しているのではないでしょうか。
実は、これは正しいイメージではありません。
医学的には「永久脱毛」と言えば「最終の脱毛施術から1ヶ月後の発毛再生率が20%以下の状態を指す」ということになっているそうで、要するに8割の毛が減っていれば永久脱毛と呼んでも差し支えないのです。
とは言え、利用者の期待するイメージとのズレを防ぎたいのでしょう。
脱毛業界全体として「永久脱毛」という表現はあまり積極的に使わないようになってきました。
毛周期と脱毛の関係
「なぜ一度の脱毛で根こそぎ全ての毛をなくしてしまえないのか?」と不思議に思われるかもしれませんが、これには毛周期(ヘアーサイクル)と呼ばれる人体のメカニズムが関係しています。
毛周期の簡単なしくみ。休眠期→成長期→退行期→休眠期…と繰り返している
実はあなたの顔に今生えているヒゲは、顔にある全ての毛穴のうちほんの一部から生えたものでしかありません。
多くの毛穴は「休眠期」といって毛がない状態で眠りについており、順番に交代しながらヒゲを生やしているのです。
レーザー脱毛は、ヒゲが毛穴の底に根を張り成長している時期にしか効果がありません。
根が抜けた「退行期」や毛が生えていない「休眠期」 には脱毛効果がないため、一度のレーザーでは全ての毛穴を焼くことができないのです。
通院するタイミングによっては毛穴の焼き漏らしが発生するため、すぐにツルツルにはできませんし、生き残ったヒゲが数年後に顔を覗かせることもあります。
ですから、数回の通院で全てのヒゲをツルツルにしてしまうのは現実的には難しく、「大幅な減毛が長期間にわたって続く」というのが実態に即しているのではないでしょうか。
筆者はどうだったか
個人的な体験に限って言えば、ダイオードレーザーで1年間(12回)通院したあとは3年ほどほぼツルツルでした。
5年後には全体的にうっすらとヒゲが生えている状態になり、そこで改めて診察を受けて年に1回くらい通院しています。
一度ツルツルになっても、5年放置したらこのくらい生えてきた
その結果、今はほとんどツルツルで週1回うぶ毛の処理をする程度で済むようになりました。
歯医者さんの定期検診のようなイメージで脱毛に行っているわけです。
年1回通院するとずっと綺麗なまま
脱毛効果や求める治療効果は個人差がとても大きいので、数回の治療で満足行く結果が得られる人もいます。
一方で筆者のように「完全ツルツル状態をずっとキープしたい!」と考えている場合は、1年程度の通院だけでは足りないというケースも想定してください。
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