今日たまたまこのような記事を見かけました。

【号外】脱毛サロン『ミュゼ　プラチナム』で違法な医療行為が横行の疑い
http://kirik.tea-nifty.com/diary/2014/07/post-ac64.html

各店舗に連絡を入れ、当該治療行為は誰が施術しているのか、医師免許を持つ人物によるものかを問い合わせたところ、いずれの回答も「医師ではない」との内容であり、（中略）要するに、『ミュゼ　プラチナム』が行っている行為は少なくとも違法の疑いが極めて強いということでございますね。

脱毛は病院でしかできない

みなさんこんにちは、管理人です。

当サイトでも繰り返しご説明しているのですが、脱毛はれっきとした「医療行為」です。

エステは医療機関ではないので「脱毛」はできません。エステでできるのは一時的な「除毛・制毛」でしかなく、次の毛が生えてくるまでの間だけツルツルにするという処置です。要するにちょっと丁寧なヒゲソリでしかありません。

ミュゼはヒゲ脱毛のサロンではありませんが、巷にあふれる「メンズ脱毛サロン」という名の施設はことごとくこういった類で、脱毛する所ではありませんので誤解しないで下さい。誤解させるような宣伝ばかりしていますけども。

仮に資格のないエステティシャンがフラッシュ機器で毛母細胞を破壊し、本当の意味で「脱毛」治療を行っていた場合。利用者は毛がなくなって嬉しいかもしれませんが、それはれっきとした違法行為。エステサロンが脱毛するのは犯罪なのです。

エステが脱毛すると捕まる

事実、過去にそれで摘発されたエステはいくつもあります。良心的な価格で永久脱毛を謳っていた「ドクタータカハシ」が医師法違反で営業停止になったのは2012年の出来事です。

ドクタータカハシの経営者であった高橋知之医師は脱毛界のゴッドハンドと呼ばれたスペシャリストで、自ら開発した高性能脱毛器を使い、安くて永久保証付きの脱毛治療を提供して人気を呼びました。

しかし経営していたのはエステであり無資格のエステティシャンに脱毛行為をさせていたようです。「脱毛」の定義に関する見解の相違があるとして揉めたのですが、結局お取り潰しとなりました。

エステでは脱毛してはいけません、というのは厚労省が平成13年に出した通称「105号通達」と呼ばれる文書に明記されています。（→■PDFファイル）

以下、通達の要点を抜粋します。

以下に示す行為は、医師が行うのでなければ保健衛生上危害の生ずるおそれのある行為であり、医師免許を有しない者が業として行えば医師法第１７条に違反すること。

(1) 用いる機器が医療用であるか否かを問わず、レーザー光線又はその他の強力なエネルギーを有する光線を毛根部分に照射し、毛乳頭、皮脂腺開口部等を破壊する行為

…わかりやすく言うと、「強い光を当てて毛根などを破壊する行為は病院でしかやっちゃダメ」ということです。ですからエステでできるのは毛根を破壊せず、見えてる毛を焼くだけになります。

どちらに転んでも都合の悪いミュゼ

最初に挙げたブログでやまもといちろう氏が言っているのは「毛が再生しないみたいに宣伝してるけど、これが事実なら医師法に触れるよね？　早く答えて。どっち？」ということで、これまでエステ業界がギリギリの所で綱渡りしていたタブー、みんなわかってるけど言わなかった部分に突っ込んだ内容です（当ブログでは散々言ってきましたが、悲しいことに社会的発信力が全くないので話題になりませんでした）。

もしミュゼが「毛根は破壊しません！毛は全て再生しますから治療行為には当たりません！」と釈明すれば医師法違反にはなりませんが、そうすると毛が減るという宣伝が嘘だったということになり、誇大広告など別の問題が発生します。少なくとも顧客からの信用は全て失うでしょう。

逆に本当に毛が減る治療を行っているのであれば医師法違反で営業停止を食らいますので、この問題が大きくなればどちらに転んでもミュゼは火だるまになり、やまもと氏が触れているようにTBCなど他の大手エステにも飛び火する可能性があります。

早く健全化して欲しい「脱毛」エステ

なぜ今やまもと氏がミュゼの脱毛を特別に取り上げたのかはちょっとわかりません。これまで暗黙のうちに伏せられてきたエステ業界の闇にスポットが当たる時が来たのでしょうか？

これを機に、エステの広告に釣られて効果の出ない髭「脱毛」に通う被害者が一人でも減ることを願ってやみません。くれぐれも髭脱毛はちゃんとした病院で受けましょう。管理人でした！