ヒゲのレーザー脱毛の価格は決して安いとは言えません。
ネット検索で出てくる全国のめぼしい皮膚科・美容クリニックの価格表を見て比較したところ、安いところで1回5千円くらい(※鼻下など部位限定の料金)。高いところだと1回2万円以上にもなります。
キャンペーン価格で初回のみ半額などのサービスを導入しているところも多いですが、いずれにせよ高価なサービスであることは間違いないでしょう。
今日はなぜヒゲ脱毛はこんなに高価なのか、また安いところはどのようにコストを削減しているか、その事情について考えてみたいと思います。
なぜヒゲ脱毛は費用が高いのか
■保険診療ではない
現在のところ、「ヒゲ脱毛は美容目的であり疾病の治療ではない」とみなされていますので保険診療ができません。このため治療費は全額自己負担になるので、直接的に利用者の負担が重くなります。
また保険診療でないということから受診する人が少ないため市場の規模が大きくならず、病院や医療メーカーにとって利ざやが薄いので新規参入が増えません。そのため開発競争や価格競争がおこりにくい、という構造にもつながります。
■脱毛のためのレーザー機器が高い
効果の高い脱毛をスムーズに行うためには最新のレーザー脱毛機器を導入する必要がありますが、これらは非常に高価で何百万円もします。
病院も商売ですから当然元手を回収しなければなりませんので、この価格に見合った治療費を設定する必要があります。
■照射する担当者の人件費が高い
ヒゲ脱毛はお医者さん、またはその監督下で看護師さんがレーザー照射を行います。彼らは時給換算にするといくらで働いているのでしょうか?
東京都内の求人情報で見る限り、医師は時給6000円~、看護師は1800円~での募集が多く見受けられます。
一方エステの求人は時給1000円前後が多く、医師や看護師といった担当者の時給がエステティシャンに比べて格段に高いのは間違いありません。もちろん、彼らがそれに見合った知識や技術を持っているということでもあります。
■広告宣伝費が高い
ヒゲ脱毛はまだまだ世間一般にメジャーな治療とは言いがたく、そもそも「病院でヒゲ脱毛の治療ができるんですよ」ということから世間に広めていかなければなりません。そのために各メディアへ広告掲載をする必要があり、その経費が価格へ上乗せされています。
どうやってコストダウンするか?
ユーザーにとっては価格が安いに越したことはないのですが、世の中安いには安いなりの理由があります。ヒゲ脱毛におけるコスト削減の裏側について考えましょう。
■機器が古い
設備投資をせず、古い機械をだましだまし使っていれば価格を抑えることができます。レーザーの精度や照射面積向上、皮膚に感じる痛みの低減など、同じ脱毛治療をするなら様々な機能が改良されている新機種のほうがいいに決まっています。
最新機器を導入しているところは大抵病院のWebサイトで派手にアピールしていますのですぐわかりますが、逆に機器の紹介をしていないクリニックはどのようなタイプ(主に年式)のものを使用しているのか、できれば事前に確認したほうがいいと思います。
■スケールメリット(機器を大量に導入する)
レーザー脱毛用の焼灼機は何百万もする高価な機材ですが、一括で大量に導入すれば割引が受けられるでしょう。
例えば地方都市で開業しているクリニックが1台だけ買うと500万円だとして、全国に拠点をもつクリニックが30台まとめて買うから1台あたりの値段を3割引きにする、なんていうのはどこの業界でも当たり前にある話。手広く展開していて患者数が多い病院の方が単価を抑えられるのは自然な成り行きですね。
■人件費を下げている
安い給料で看護師をこき使っているケースや、中には無資格の人間に医療行為を行わせている場合も。後者で摘発され閉院したのが、良心的な価格設定で有名だった「ドクタータカハシ」というヒゲ脱毛クリニックです。安いのには理由があるということがハッキリとわかります。
看護師の給料が低いとどうなるでしょう。すぐ転職してしまいますよね。ヒゲ脱毛は機械が自動でやってくれるわけではなく人間による手作業で、その人の技術によって大きく精度が左右されます。そのため多くの症例をこなしたベテランの人にやってもらうのが一番なのですが、低賃金の職場では人材の定着率が低く、未熟な新人さんがあなたをレーザー照射の練習台のように扱うかもしれません。その結果、照射漏れやヤケドなどのトラブルが起こるとかえって時間や費用が多く必要になる場合があり、まさに安物買いの銭失いと言えるでしょう。
■人気がない
ヒゲ脱毛のお客さんが全然来ないので、仕方なく値段を下げていることが考えられます。ということはその病院ではヒゲ脱毛の治療は数多くこなしておらず、技術や経験の蓄積がされていません。また何らかの悪いクチコミが近所に広まっていてお客さんが少ないのかもしれません。
価格が高めの病院は、多くのユーザーに価格以上のサービスと満足を与えてリピーターに支持されているからこそ、その価格で成り立っているとも考えられます。
■回転率でカバーしている
単価を下げた分、回転数を上げてより多くのお客さんの治療をこなすことで利益をあげるという商売の仕方がありますね。
価格を半額にするとこれまでの2倍のお客さんを捌かなければなりませんので、1人あたりに割ける時間や労力を削減する必要が出てきます。要するに手を抜くことにもつながったりするわけです。場合によっては化粧品や他の部位も脱毛しましょうといった追加セールスが行われます(特にエステはこの手法を好んで使います)。
安いんだから文句言うなというのが本音でしょうが、顔の脱毛をするからには多少の価格差に目をつぶってでも安心できる病院でお願いしたい・・・と私なら考えますが、皆さんはいかがですか?
目的は「ヒゲの脱毛を成し遂げる」こと
忘れてはいけないのは、安くてもヒゲ脱毛が早く綺麗に終わらなければ全く意味がないということです。
あなたは何のためにヒゲ脱毛したいのですか? 青髭のコンプレックスから開放されたい? 朝の時間の節約がしたい? 清潔になって異性にモテたい? 皆さん何かの動機があってヒゲ脱毛を考えているはずですよね。
それらの動機がちゃんと果たされるなら、値段の違いは長い目で見れば些細な問題なのです。逆にそれらの目的になかなかたどり着けないのなら、値段なんていくら安くてもナンセンスです。
安い病院=良心的とは限りません。また高いお金を取るから信用できるとも限りません。
このサイトをはじめ、本人の体験談がしっかりと書いてあるサイトを調べてみて、納得のいくクリニックを見つけてくださいね。
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