僕が初めて脱毛した頃と比べてヒゲ脱毛という言葉もすっかり定着し、身だしなみの一環として当たり前…とまでは行かないものの、珍しい存在ではなくなりました。
選択肢も広がって自分にあった脱毛方法を選べる反面、不正確な情報を撒き散らしているランキングサイトも増えてしまい、混乱する場面もあります。
この記事では、ヒゲ脱毛の広告や公式サイトをチェックする際に、どこに注目すれば失敗を避けられるか?と悩んでいる方へのアドバイスとして、重要なポイントを解説して行きます。
なお、通院歴10年といっても脱毛治療に10年もかかるわけではなく、ヒゲがツルツルになるまでの期間は1年弱でした。
その後は年に1回程度のアフターケアで、数年後にチョロチョロ生えてくる産毛まで完璧に絶滅させるために通っています。
僕がヒゲ脱毛で通った病院はこれまで4院。
病院の取材を数多く経験し、医師や看護師に何度もインタビューをしている他、脱毛機器の営業マンにも会っていますので、非医療従事者としてはそれなりに詳しい方だと思っています。
参考までに僕のヒゲの変化を載せておきます。
昔の写真の小汚さに絶句。
①【最重要】医療機関とエステサロンは全くの別物
「脱毛に行こうかな」と考えて広告や公式サイトを見る時、一番最初に確認しなければいけないのは、その業者が医療機関か、エステサロンかという点です。
医療機関(病院・医院・クリニック)とエステサロン(メンズサロン・メンズエステ・脱毛サロン)では脱毛の効果が全く異なります。
最大の違いは「エステサロンではレーザー脱毛器を用いた脱毛はできない」ということ。
これは違法になりますので、絶対にできません。
国家資格を持ったスタッフが従事する病院と違って、エステでは公的な資格のないエステティシャンが機器を扱います。
そのためエステでは人体への効果が弱い安全な機材しか使用を認められておらず、脱毛効果はほとんどありません。
フラッシュ脱毛・光脱毛の効果は一時的な「除毛」か、せいぜい「ヒゲをちょっと薄くする」程度です。
ずっとツルツルになりたい…という要望を叶えることはできません。
・エステの業界団体が定める「脱毛」とは
日本エステティック振興協議会では脱毛を以下のように定義しています。
美容ライト脱毛の定義… 出典:日本エステティック振興協議会 美容ライト脱毛自主基準(pdf) |
「毛の幹細胞を破壊しない範囲」ということはつまり毛根を殺さないわけですから、当然ながら毛はまた生えてきます。
・医療用脱毛機器とエステ用機器のスペック実例
■エステ用 光脱毛器「Silky Light EX」
公式サイトより
レーザー出力は5.8~8.2J /cm2
(Jはジュールという熱量の単位)
■医療用 ダイオードレーザー 「Light Sheer Duet」
製品サイトより
レーザー出力は最大100J /cm2
出力の差は10倍以上。
形や仕組みは似ていても、効果は全く別物であることが一目瞭然です。
余談ですが、何年も前に事件となったドクタータカハシというエステサロンがあります。
経営者は医師でしたが医療資格を持たないエステティシャンがレーザー脱毛を行ったため摘発され、廃業しています。
人体に対して元の状態に戻らないよう手を加える手術は「医療行為」とみなされ、病院でしか行うことができません。
何度エステに通っても、ヒゲは元に戻ります。これが最大の違いです。
医療機関は基本的に病院、クリニック、皮膚科、医院など表記されているのですぐ分かります。
例)Dr.コバ
こういった表記がない、または「サロン」という呼び方をしているのはエステです。
中には監修として医師の写真を大きく載せ、あたかも医療機関であるかのように誤解させる悪質なサイトもありますのでご注意下さい。
(以前、具体名を掲載したら当事者のエステから法的措置をチラつかせた脅しが来ました。やましい気持ちがあるので過剰に反応するのでしょう…)
ポイント①
脱毛したいならエステではなく必ず病院を選ぼう!
②料金に含まれる通院期間と回数は?
大きく言って、今時の脱毛治療コースは「回数プラン」と「無制限プラン」に分かれます。
・回数プラン
例)メディエススキンクリニック
回数プランは通院回数が「5回」「10回」というように決められています。
もし脱毛効果が物足りないと感じても、基本的にはそこで終わり。
追加の通院は割引を受けられる場合もありますが、完全に満足行くまでにどれだけ費用がかかるか未知数である、というのがリスクとなります。
通院期間はだいたい1年~1年半を目安にしているところが多いようですが、僕の感覚では「脱毛したいな~」と考える程に毛深い人が5回の通院だけで長期間のツルツル肌を手に入れるのは難しいと思います。
10回コースならツルツルも十分期待できますね(毛質や肌質など個人差が大きい点はご理解ください)
比較的短期間の通院で、ツルツルではなく半分程度までヒゲが薄くなれば十分、といった方の選択肢として有用です。
・通い放題プラン
例)湘南美容外科クリニック
最近の大手クリニックで主流になっているのは通い放題プラン。
同じ料金で、満足行くまで何回でも通えますよというもの。
回数制よりも1回あたりの料金はお得になります。
ただし、通院間隔はそれなりに開けるよう指示されます。
月1で通ってさっさとヒゲを根絶したいと思っても、病院のルールで8週~12週は待つよう言われますので、4年間ビッチリ通院したとして最大で16回~24回くらいでしょうか。
ヒゲ脱毛は10回も通院するとツルツルに近くなる人が多いと考えれば、そこそこ余裕のある数字です。
このプランの問題は、病院そのものが潰れたり、近くの支院が採算悪化で撤退したりすると損をする点。
通院の権利は残っていても通えなくなるケースはありえますし、前払金の払い戻しは期待できません。(一部、解約時にお金が戻ってくる病院もあります)
僕が通院したクリニックが実際このパターンで、当時は転勤先の岩手県で通院していましたが「この店舗は閉鎖するので今後は宮城県に通院してください」と言われて絶句しました。
まあ男性の脱毛需要はどんどん増えているので当面はどこの病院も拡大傾向が続くと思われますし、よほど無茶な出店や安売りを乱発しない限りはそうそう潰れないでしょう。
逆に言うと、競争過多になって病院の勝ち負けがハッキリ出てくる前にさっさと脱毛治療を終えてしまった方が安心とも考えられます。
ポイント②
通い放題 or 回数制、希望に合った病院を選ぼう!
③使っている脱毛機材は?
・痛みが少ない「メディオスター」が流行
例)ゴリラクリニック
最近流行っているのは「メディオスター」という医療脱毛機です。
従来のレーザー脱毛に比べて痛みがかなり軽く、広い面をスーッと撫でるように手術できるため、施術時間の短縮が可能と言われています。
新しく高価な機材なので病院によっては導入が遅れており、全国展開している大手クリニック以外では見ることが難しい状況です。
生産台数や輸入台数も少なく、導入済みと書いてある病院でもすべての施術室で対応できるとは限りません。
利用を希望する場合は、予約フォームの質問欄などで病院へ確認した方がよいでしょう。
細かい部分の照射には向かないので、部分的にヒゲを残すデザイン脱毛には使えません。
メディオスターの詳細についてはゴリラクリニック公式サイトのこのページが分かりやすいと思います。
・従来のレーザー脱毛にもメリットあり
メディオスターは新しい機材で評判も上々ですが、だからといって従来のダイオードやYAG、アレキサンドライトといったレーザー脱毛機が劣っているわけではありません。
メディオスターに比べて即効性があり、照射後すぐにヒゲが抜けます。
また施術の歴史が長く長期間に渡る効果が実証済みです。
ノウハウや手順が確立していて、病院によるブレがほとんどありません。
メディオスターは機材や方式が新しいので、病院のスタッフも手探りな部分があったりします。
肌が弱い方、ニキビや赤みを避けたい方、痛みが怖い方にはメディオスターの方がおすすめです。
逆に、一時的な痛みや炎症は我慢するのでとにかく即効でヒゲを減らしていきたい、という方はダイオードなど従来型のレーザーも○。
治療前の診察とカウンセリングによっては希望通りいかない場合もありますが、プロである医師や看護師の指示に従って下さい。
ポイント③
使える機材で病院を選ぼう!
回数無制限で、メディオスターも選べる医療機関は限られてきますからね。
(あと、サイトで紹介する上で、全国展開していて通いやすいことも考慮しています)
次点でメンズリゼ、Drコバといったところ。
こちらは回数無制限でなかったり、メディオスターが使えなかったりしますが、そこさえ気にならなければ大丈夫。
とはいえ、自宅や職場の近くにないと通院できません。
まずは都道府県ごとの病院リストから、近くにどの病院があるか探してみて下さい。
一日も早く、あなたが小汚い青ヒゲの悩みから卒業できるよう願っています。サイトウでした。